2018/12/04

6GB8シングル

Samizu Acousticsさんがアンプを新調されるということで製作を依頼されました。自分のアンプを作るのも二の足をふんでなかなか進まなかったのに、人様のものをつくるなんて考えた事もありませんでしたが、いつもお世話になっていますので二つ返事でお引き受けしました。
ご指定の球は6922と8417。多分最高に特性のよい部類の6992で増幅をして、大型大電流型の8417でゆとりをもってドライブするといった目的かと思います。
回路図
このアンプの回路は先日開かれた秋の妙高オーディオで発表されたものですが、増幅段の6922はパラシングルではなくてシングルの回路としています。回路的にも2段増幅でカソードコンデンサレスと音質的にも有利ですので、試してよければ自分用にも1台と考えてのことです。勉強もかねて一石二鳥です。
私の手持の球が6922の互換のECC88, 8417の互換球の6GB8でしたので球ちがいですが互換とのことですので良しとしました。ECC88はこれまでも使ってきましたので扱い慣れていましたが、6GB8は始めてです。6GB8のスペックを調べてみたところヒーター電流が1.5Aとこれまで使ってきた球の中では飛び抜けて多く、プレート電流も300Bを裕に超える200mAまで流せます。
とはいえ、簡易電源ではそんな電流を流せるトランスも持ち合わせていませんので、バイアスを調整して流れすぎないように要注意です。アウトプットトランスはユニバーサルのFME-20(特別仕様)の2.5kΩを負荷として音だし確認となります。
8417

6922


2A3の今のメインアンプで同じ銘柄でもカソードコンの容量をかえるだけで音がかなりかわったので、なければその要因がなくなり更にシンプルな構成です。
電源トランスの容量と電圧の制限から300V 60mA程度ぐらいでしかドライブできていませんが、傍熱管のノイズフロアーの低さとカソードコンレスからくる低域の雑味のなさは圧巻です。
短時間でしたら、トランスを空冷しながら100mA流せますので試してみましたが、この球は電流をたくさん流した方が音質は向上しますね。これにあった電源トランスを調達したくなってきました。




2018/11/24

究極のフルレンジ励磁ユニットAFT model 7

Audio Feastさんから とてつもない励磁ユニットが発表されました。勝手にはしょりながら翻訳しましたので、間違いがあるかもしれませんが・・・とんでもない代物です。

Audio Feast AFT model7

==ここから勝手に翻訳==
Audio Feast / Teramoto model7 は、Audio Feastさんから発売される最初のフルレンジ励磁ユニットです。このユニットは、Teramoto氏がAudio Feastさんのために特別に設計され製作されました。AFTモデル7専用のワイドワイドディストリビューターです。 Teramoto氏は以前Feastrexに所属していました。そして彼はすばらしい励磁ユニットのマイスターです。下の写真は彼の最初のプロトタイプのスパイ写真です。完成品は外観が多少異なる場合があります。

2A3 W Power

このユニットの磁気回路は純鉄素材が使用され、フレームはステンレス鋼そしてメインダイアフラム、コーン、ダンパー、ダイアフラムエッジは和紙が用いられています。また、 ボイスコイルとフィールドコイルには特別に選択された銅線が用いられています。 外枠の直径は199 mm(7.8 ")です。ダンパーやコイル、コーン紙などの可動部分は非常に軽く、一般的な5インチユニットのものとほぼ同じ重量です。コーンを支えるダンパーとダイアフラムエッジは非常に柔かくコーンのストロークを妨げない構造となっています。
感謝祭の週に、寺本氏の工房を(妙高日本)を訪問し、私たちはフィルムコンデンサと巨大サイズのFINEMET直で構成された専用のFINEMETフィールドコイル用電源を用いてプロトタイプのユニットをオープンバッフルに設置し試聴しました。(この最適界磁コイル電圧は約6.5Vdcです。) 入力信号を忠実に再現し、ディテールの再現性がすばらしく、3次元のサウンドステージが目の前に再現されます。サービスエリアも非常に広いためリスニングルーム全体がスイートスポットとなりえます。高音域も十分伸びているためトゥイーターは不要です。ロックやテクノを演奏したい場合は、バッフルの設定を変更する必要があります。このユニットをつかって素晴らしい音質で音楽を楽しむのは簡単だと思います!
今年のクリスマスか2019年の初めに発売できたらと考えています。 予想小売価格は1ペア 約7000ドルです。

乾杯!

 問い合せ先   Audio Feast  CleanUnderwear@gmail.com(日本語OK)
2018/11/20

2A3メイン機 その後2

2A3シングルメインアンプですが、音が出始めてから約一ヶ月たちました。その間も気がついた部分の小変更をしています。
2A3 W Power

これが現在の回路図です。あまり変わっていないように見えますが、ヒータートランスは3個ともすべて独立電源としました。これによりヒーターに起因するノイズは殆どなくなるとともに、2A3のヒーター電源のトランスを分けた事でチャンネルセパレーションが格段によくなりました。
また、増幅段についても150mHと100uFx2で左右chとも一括で受けていましたが、100mH+100uFで左右独立して受けるように変更しました。これにともない32Hの後の150mHと100uFを取り外しました。このままですと、いきなり左右のチャンネルを32Hが受けることになるので、緩衝の役割で0.47uFを間に入れました。ここの容量結構シビアに音場形成に影響うします。
増幅段での負荷抵抗よる左右のチャンネルへの供給電圧も音楽信号の入力で跳ね返りの電力が発生し電源供給に影響しているようです。これによって電力大きい低域の解像度、パワー感の改善がみられました。
ラック
パワー段電源、増幅段電源、ヒーター電源、アウトプットトランス、増幅段、パワー段と個別のケースに入っているので、メンテナンスも比較的簡単にできます。
興味深いのは電源の供給と信号再生の際に電源に対して逆に働く電力を考慮しながらアンプを調整していくと、スピーカーの制動力もよくなるようです。

普通に長時間聴いていられる心地よい自然な音になりつつあるので、クラッシック音楽を毎日楽しんでいます。

2018/11/13

AK4497 + ライントランスTLT−1545ssWJ

SamizuAcousticsさんからTLT-1545ssWJがついに発売になったことは先の記事で紹介させていただきました。TDA1545AのIVとしてのテストはしばらく前に終わっていまして、発表前にSamizuAcousticsさんにお邪魔してTLT-1545ssWJへのアップグレードと合わせ込みをすませてきました。
SamizuAcousticsさんの所には様々なDACや著名なCDプレーヤーが持ち込まれて相談にこられますがそれらの音質改善にはこれまでTLT-1010が万能薬のごとく働きをして数多くの方々がお使いになられています。
先にも書かせていただきましたが、TLT-1545AssWJを設計していただくにあたり、TLT-1010の上位バージョンとしての構想もあり、最近ではES9018,K2や旭化成のAK4490,95,97シリーズのように電圧出力のDACへの適応性の確認をしていました。
最近旬のAK4497へはZishan DSDの差動電圧出力で確認をしました。丁度TLT-1010でもかなりの音の改善があったのを確認済みでしたので、比較するにはもってこいです。
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低DCR化とコアサイズの大型化の音質への影響は絶大で、これまでのTLT−1010の限界がこんなところにあったのかと、容易に気づく事ができるレベルです。それまでもTLT-1010以上のものが存在していなかったので、分かりませんでしたがこのTLT-1545AssWJをライントランスとして使った場合の音は私の少ない語彙では伝えきれないほどです。低域のゆとりと正確さが桁外れとなったことにより、音楽のベース部分がしっかりして、中高域も更に高解像度で濃厚です。DACからのシグナルのすべてを受け止めて、ファインメットという超リニアな特性のコアを介して次の工程へシグナルを送り出す事によってなし得る世界です。

貸し出し用も準備されるということです。、ESSやAKシリーズ、FN1242Aなどの電圧出力のDACばかりでなく、負荷抵抗を調整すればPCM179X、TDA1541,3などにも使うことができますのでぜひ検討されてみてはどうでしょうか。決して安いものではないですが、費用対効果はそれ以上だと思います。

※追記:SamizuAcousticsさんの製品をお使いの方には下取りアップグレートもあるとのことですのでご相談されてはいかがでしょうか。

2018/11/12

TDA1545A IVトランス

SamizuAcousticsさんからTLT-1545ssWJがついに発売になりました。
TDA1545Aを理想的にIV変換するものを目指して、春先からトランス設計者の方とともにDACの特性や既存のトランスによるデーター取りに明け暮れていました。目標としたのは2mAというTDA1545Aの微弱な電流出力の変化にも敏感に反応して全体域インピーダンスおよび位相特性フラットな特性です。また汎用性をもたせるためにTLT-1010の特性を遥かに凌駕するライントランスとしてもつかえるようにインピーダンスの比率を1:1としました。

諸特性の中で重要なのは、内部抵抗値とオープルインピーダンス。TDA1545Aの内部抵抗はデーターシートに記載されていないため、測定をしたところ周波数によっても異なりますが3kΩ〜4.5kΩとPCM63とは比較にならないほど高い値となりました、このためトランスのDCRは低く抑える必要があります。また、オープルインピーダンスは全帯域1090Ωでしたので、トランスのインピーダンスは1090Ωとしました。
DCRを低く抑えてインピーダンスを確保するには巻き線を太くする必要があり、コアサイズが大きくなります。コアサイズは大きければ大きいほど音質に対して有利なのですが、ひとまずの妥協点として90VAのコアサイズにすることとしました。(失敗した際の懐へのダメージが大きいためです。)
層間紙の種類や巻き線の巻き方などについても打ち合わせをしてスペックを決めさせていただきました。
9月のタイ出張からもどると、プロトタイプが届いていました。
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これまではTLT-1010でも大型だと思っていたのですが、想像以上のサイズと重量です。
早速インピーダンスをハイテスターで測定すると1次も2次も1090Ωで要求スペックどおりでした。
次にDCRを測定してみて仰天しました。
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なんと9Ω!!これならばTDA1545Aの微細な出力も余すところ無くトランスに送る事ができます。
いてもたってもいられず、メインDACに取り付けられていたTLT-1010を取り外してオシロスコープとHIOKI 3522 LCR HITESTERをつかって0dBでひずまない最大値に合わせ込みました。
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いてもたってもいられず、期待に胸を膨らませながら音楽を開始。

無音部分の音にならない音の会場の雰囲気がこれまでのTLT-1010とは次元が異なるレベルの濃厚さで期待感MAX。
最近少々のことでは驚かないのですが楽器の音が出るなり背筋に戦慄が久々に走りました。すさまじいまでの全帯域の情報量とレスポンスそして低域のリアルさです。バスドラムのアタックの音の立ち上がりが凄まじく音の固まりがリスニングポジションに向けて生のライブのように波動とともに飛んできます。ダブルベースの胴鳴りも弦を弾くたびに感じられ音階もすべて難なく聞き取れます。楽器と楽器の間の空間も自然でリアルそのもの。特に低域のレスポンスはすさまずく、これまでのTLT-1010が低域で詰まっていたと思わざるを得ないほどの違いでした。脳内補正が少なくなるので、すぐ眠くなるのが難点ではあります。

これにともなって、DAC電源や真空管アンプの問題点が露出したので、そちらの方の修正すべき点も簡単に見つける事ができるようになりました。

製作者の方から世の中に無いものを作るのには時間も手間もかかるということで、時間がかかりましたが想像を遥かに超えるものをつくっていただき大変感謝してます。






2018/11/10

AK4497 (Zishan DSD + ライントランスTLT-1010)

AK4497搭載のZishan DSDですが、USB-DACとしても使えるので非常に使いやすいです。
一応このZishan DSDのDSD再生ですが、オシロスコープで確認したところDACのAK4497へはDSDシグナルが入力されていました。しかしながらデジタルボリュームが有効ですのでDAC内部ではPCM変換されていると思います。
私にはやはり低音の遅さが気になります。オペアンプのソケット(LPFを通った後)からシグナルを取り出してそのままアンバランス出力で聴いてみたところ、音がキツめで空間も平面的で機器疲れする音質でした。
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次に差動シグナルを取り出してTLT-1010で合成出力してみました。TLT-1010はSamizu Acousticsさんのものです。
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やはりデジタルシグナルからアナログシグナルへ変換された後にファインメットトランスを通す事で、トランスの収斂作用とLPFの効果も相まって音質的にもまとまり、自然な空間が形成されました。また、低音についてもオペアンプ出力のときのような輪郭のボケもかなり解消されて総合的にみても相当な音質改善となりました。
AK4497の場合電圧出力ということもあって、負荷抵抗を取り付ける必要がないためトランスをそのまま接続する事ができるDACと接続する機器の絶縁もすることもできますので部品点数も少なく非常に手軽で効果的なチューンアップです。このトランスですがasoyaji audioさんからこれから発売となるであろうDACにも採用されています。
Zishan DSDですが筐体から出し、トランスを通して出力する構成で据え付け機器としてもいいかもしれません。

 
2018/11/09

AK4497 (Zishan DSD)

今更ですが、AK4497を搭載したDAPのZishan DSDを購入してみました。Webで調べてみると、回路はデーターシートとほぼ同じで使われている部品が少し異なるようです。目的の一つとしてはDACをいじっている時に音楽が止まってしまうので、なにかそこそこの再生機器があればとは常々思っていました。

Zishan DSDについてはこちらのサイトで詳細に紹介されています。
AK4497EQ搭載DAP ハイコスパな「ZIshan DSD」レビュー前編【DAPレビュー】

この価格で本当にAK4497搭載しています。
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音質ですが、オーバーサンプリングでオペアンプIV,LPFとして聴くならば優秀だと思います。
また、巷のサイトではオペアンプやコンデンサーを交換するのが旬なようです。

AK4497EQ搭載DAP ハイコスパな「ZIshan DSD」オペアンプ変更レビュー【DAPレビュー】
ということでMuseなどは他のサイトでもやられていたので、とりあえず王道のOPA627BPを無理矢理取り付けてみました。

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やはり、高さの関係で当然の事ながらまともには設置できません。
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手持の20種類ぐらいのオペアンプを試してみましたが、やはりこれが一番いいようです。
ただ、NOSが標準な私には、真剣に聴くにはこの系統の低音にはやはり違和感がありますがかなり細かい音も聴こえます。コストパフォーマンスは最高の部類ではないでしょうか。
2018/10/29

2A3 メイン機 その後1

2A3メイン機ですが、エージングを兼ねて音楽を聴きながら、しばらく稼動していない6C45Piの単段アンプの部品も視野にいれてどういった構成ができるか色々構想していました。そのうち幾つか試して良好な結果が得られたものを組み込みました。

「電源関係」
 先の調整で6SN7GTの増幅段と2A3のパワー段の電源の干渉をなくす方向が非常に音質的に有利な事が分っていましたので、6C45Pi用の電源トランスが増幅段の電源として使えないと考えてながめていましたところ、電圧出力が200-130-0-130-200Vとなっているため、増幅段の260〜300Vを得るために130-0-130Vを0-260Vとして出力してブリッジ整流チョークインプットをためしてみたところ265Vを得る事ができました。依然の回路のまま入力すると2.7kΩの抵抗で更に電圧がおちてしまうため、それを撤去しました。これは嬉しい誤算で電源回路から音質的に不利な抵抗を撤去することができました。
2A3 -W POWER (1)
また、32Hのチョークの後に小さいチョークをいれて微小電圧変動の調整をするために、これも6C45Piの電源部分につかわれていた150mHのチョークを配置しました。

「6SN7GT 2段目カソードコンデンサ」
944U 47uF+100uFの組み合わせとしていましたが、100uFよりも若干高域特性の良い52uFを入手したため、47uF+52uFとしました。特に低域がやせる事も無く狙い通り高域のもやっとしたのが薄くなりました。

「6SN7GT 1段目カソード抵抗」
ここには無誘導巻き線抵抗を使っていましたが、1kΩのWE板抵抗を2枚パラにして500Ωを合成したものに交換しました。できればプレート負荷抵抗も変えたいところですが、抵抗値の高いものが入手できていません。なぜか分りませんが、このWEの板抵抗ですが音場の改善と解像度向上が感じられます。

「2A3ヒーター電源」
2A3のヒーター電源に7AのACフィルターをとりつけてみましたが、高域が耳障りになったのですぐに取り外しました。そのかわり5mmのファインメットビーズを通しました。

音楽を聴きながら、構想するのは楽しいもので思いついたらすぐに試したくなってしまいます。一喜一憂しながら、すこしずつできるだけ耳障りの音のしない自然な音を目指してに仕上げていこうと思います。
ラックに設置する日はまだまだ先になりそうです。
2018/10/20

2A3シングルアンプ メイン機

GS-1をドライブするアンプとしてのタイムドメイン社推奨のYA-1のドライブ不足感を解消するために真空管アンプに可能性を見いだしてサンオーディオ SV-2A3を導入したのが、2012年4月。あれから6年半。ようやくGS-1を強制的にドライブできるアンプにたどりついたのではないかと思います。
電源以外の回路構成はSV-2A3を踏襲してはいますが、部品や電源回路は全く異なります。途中、オリエントコアの限界やケミコンの音への悪影響などの考察もあって、コアは全て特注ファインメット、コンデンサーは全てフィルムコンでカップリング以外はCDE 944Uの構成となっています。
先日、簡易電源で粗組みでの音だしができましので、音合わせをすべくメインの電源をつないで実際に音楽を再生しながら部品定数や回路の調整、配線の検討を行いました。この作業は実際のところは終わりがないのですが、ある程度まとまりましたのでいったんエージングして様子をみることとしました。
最終的な回路図はこちらになります。
2A3

【信号配線】
「低電圧」
増幅団への入力信号は電圧も低いので柔らかく付帯音の少ないモガミ2706を使いました。これはYA-1の信号ラインの内部配線にも使われています。
「中高電圧配線」
モガミ2706の耐圧が30Vのため中高電圧配線につかうのは適切ではありません。また太すぎる配線だと低域の定位が曖昧なったり、高域のバランスがくずれたりします。粗組み時は0.8mmの単線としていましたが、単線であるがゆえに振動に非常に敏感で高音のクセが取り切れずに、最終的には22AWGのMill Gradeのシールド線の芯線をつかいました。これは電力供給時の隣接効果のキャンセルの狙いもあります。
「ヒーター配線」
電流値が大きいため当初1.25sqのより線を用いていましたが、2A3のような直熱管の場合かなり音に影響するのが分っていましたのでかなり試行錯誤しました。中高圧電源とMIl Grade線では補足で安全率が低いのですがパワー不足も感じませんでしたので一旦こちらに変更して様子をみています。ヒーター配線については更に検討を進めようと思います。
「電源回路」
電源の基本構成は420-0-420のACをRohmのSiCダイオードで両波整流しました。当初4段チョークインプットとしていましたが、DCRが高くなるため増幅段とパワー段を独立した平滑化の回路としました。
本来は特性の良いCDE 944U 47uF以下の容量のものを使いたかったのですが、電源部へ割り当てる事ができる数が手持で確保できなかったので100uFを多用しています。
・パワー段電源
パワー段については4段チョークインプットの構成としました。1段目は24Hのシングルコアよりも高域特性に優れているダブルコアを用い、2段目は12Hとしてフィルター効果を狙い、3段目は1Hのチョークと47uF以下の944Uで構成して負荷に対するレスポンスの良い構成としました。アウトプットトランスに一番近い7mHのチョークは微弱な逆起電力の吸収にも対応する目的もあります。基本的に電源のコンデンサーやチョークは平滑化の意味合いもありますが、逆起電力の吸収といった側面もありますので、周波数特性や位相特性が非常に重要です。
・増幅段電源
こちらは3段チョークインプットの構成です。パワー段と基本的には同じ目的の回路構成ですが、こちらは負荷からの逆起電力の影響はあまり考慮していません。24Hで平滑化、10Hでフィルター、32Hで縁切りの目的です。32Hを接続することで電源の変動による影響はほぼ感じなくなります。パワー段とほぼ同じ構成であるにもかかわらず、パワー段の方が消費電力が大きいため、パワー段の出力は320V、増幅段の出力は340Vとなっています。420Vacの両波整流チョークプットですので、適正な範囲の電圧です。
パワー段、増幅段ともに音の調整は可聴域外まで特性の良いBlackMatter 0.1uFを要所に配置することで対応しました。
「パワー段回路」
カソードコンデンサーは944U 33uFを3パラとしました。当初100uFを一つつけていましたが高域の位相がくずれてしまいました。また、抵抗はこれまでで一番音質的に良かったWEの板抵抗としています。アウトプットトランスを大型にしたためDCRが低くなりプレート電圧が317Vとなっています。カソード抵抗は1kΩをとりつけて電流値は少なめとしていますので、ヒーター電源だけ準備できれば300Bも駆動可能です。アノード電圧は50Vですので、267Vが2A3にはかかる事になりデーターシート上の最大電圧の250Vを少し超えてしまっていますが、動作点は許容範囲内でまた、RCAなどの古典管をつかわずにSOVTECやPUSVANなどの新しいタイプをつかっているので問題無い範囲だと思います。プレートをみても特に赤熱していうということはありません。
グリッドリーク電流の処理は、600H ファインメットチョークと抵抗の合わせ技で音質の調整代をとっています。こちらにつきましては別途記事として紹介させていただいています。
「増幅段回路」
基本的にサンオーディオのSV-2A3を踏襲していますが、増幅段の電圧調整の2.7kΩの抵抗の後に100uFを左右チャンネルそれぞれ取り付けています。ここのインピーダンスを低くしておかないと低音への影響が大きいです。使用した抵抗はVishayの無誘導巻き線抵抗を使っています。この抵抗の品質もまた音質に直結するところですのでWEの板抵抗にしたいところですがなかなか入手が難しいです。また、増幅段2段目のカソードコンデンサーですが、47uFでは容量不足でしたので100uFをパラで接続しました。ここもパワー段と同様33uFx3したいところですが手持ちの部品の都合で妥協しているポイントです。

非常に解像度の高く空間再現もいびつになることがない、全帯域で自然な再生音のアンプとなりそうです。
2018/10/15

2A3の調整(グリッドリークチョーク)

2A3シングルの自己バイアスの回路のグリッドリークは一般的には270kΩ〜470kΩの抵抗が使われています。増幅段の6SN7GTの内部抵抗,段間カップリングコンデンサー,グリッドリーク抵抗でハイパスフィルターを構成しています。まず組み上げた段階ではSV-2A3の回路を踏襲してアムトランスのAMRG 270kΩカーボン抵抗をまず取り付けてありました。
【カップリング0.22uF,グリッドリーク抵抗 270kΩ】
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これを600Hのグリッドリークチョークに置き換えると、段間カップリングコンデンサーの値を大きくしないと低域にピークが現れます。シュミレーション上は20uF程度とすることでフラットとなりました。
【カップリング20uF,グリッドリークチョーク 600H】
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とはいえ特性のすぐれた20uFの段間コンデンサーを準備する事は難しいため抵抗との合わせ技での検討です。グリッドリークチョークをつかうことで交流的な抵抗値が大きくなりドライブ力の向上にもつながります。
段間カップリングを1uFとした場合、グリッドリーク抵抗を100kΩ程度とすることでフラットな特性となりました。
【カップリング 1uF グリッドリークチョーク 600H】
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シュミレーションはあくまでもシュミレーション。やはり音を聴かないと判断できません。
グリッドリーク
まずは抵抗無しで直結してみました。カップリングはBlackMatter 1uFに変更済みです。
一般的なグリッドリークチョークですと低域の位相がくるってしまうのですが、そこはリニアなファインメット問題はありません。抵抗とチョークの一番の違いは交流にする抵抗値が大きくて直流に対する抵抗値が小さいということ。確実に2A3のグリッドの駆動力はUPします。予想どおり低域が弱くなるのと高域が結構クッキリしました。カップリングの容量UPも考えたのですが、20uFで特性のよいものの手持がありませんでしたので、抵抗を直列で接続しました。
抵抗値を大きくすると抵抗をつけたときのように躍動感はうすれてきます。音を聴きながら調整して、94kΩをシリーズで接続しました。
Web上にもあまり情報がない、グリッドリークチョークですが、信号と直結する部分ですのでかなりシビアです。うまくコントロールすれば律速ポイントのひとつを解消することができますね。