新大陸への誘い

 If it measures good, and sound bad, it is bad.
ファインメット関連
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タイムドメインミニの設置とその音場 #timedomain

手を入れてあられもない姿になっている我が家のタイムドメインミニの設置をご紹介させていただきます。
爺






タイムドメインミニを設置するときのポイントは、
  「しっかりとした床の上に設置すること」
です。

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§高さ方向
私も、GS-1の上とか、PDPが設置してあるローボードの上とかに設置をしてみたものの、音が腰砕けになってしまう傾向となってしまいました。
設置自体は麻ひもで吊ってある状態になっていて、更に足の部分がボルト1本、しかもゲルで浮かせてあるとはいえ、やはり設置する面は床面が一番音がしっかりしました。

§スピーカー間隔
我が家のタイムドメインミニはアンプを独立させると共にスピーカーケーブルを交換してあるため、片側2mまですなわちスピーカー間4mまで可変することができます。80cm~3.5mまで段階に分けて設置をしてみました。もちろん床上への設置です。スピーカーまでの距離は

1.80cm
 スピーカーの左右に相当広く音像が定位。でもちょっと窮屈そうです。この状態ですと、部屋のどの位置にいても立体的に音が聞こえますが、立体の度合いがそれほど高くなかったです。

2.2m
 気持ちよく音場が広がります。小編成のものでしたら、目の前に等身大で現れます。私の場合オットマンがあるため、これに音が干渉してしまい若干中抜けしたようなかんじになってしまいました。
 スピーカーの間で聞いた場合と、相でない位置で聞いた場合でかなり立体間がことなります。でも音が定位する位置は変わらないので、それほど神経質にならずに聞くことができます。お客様が来るときなどは、これぐらいの間隔が適していると思います。ここまでくると我が家のGS-1の音場とほぼ同じになってきます。

3.3.5m
 丁度リスニングポイントと正三角形を結ぶことが出来る設置です。ユニットを正面向けると中抜け気味になりますが、リスニングポイントに対して直角に設置すると、耳の横まで音がまわりこんできます。それに音像の定位はかなりシャープになりGS-1のような音の艶が加わってきます。また、左右の壁の部分方向からの響きも再現されるようになるために、音質や迫力はともかく、GS-1と同じレベルの音の広がりです。

現状は3.5mの間隔で床上設置、ユニットはリスニングポイントに正対というのが我が家でのタイムドメインミニのッティングです。このセッティングですと、頭を10cmぐらい動かすと結ばれた音像の音色が変化します。これはYoshii9ではまず感じられない感覚で、GS-1では1mmレベルで感じることができます。

多分ですが、手をいれたことによって、コーンが信号に対して正確に動くことが出来るようになったことと、余分な音が混じらなくなったことで、時間軸に正確な音だけがリスニングポイントに届くようになったのだと思います。

タイムドメインミニでも、きっちりセットすれば相当時間軸に正確な音だけを聞くことができると思います。サックスの音なんて本当にリアルです。どれだけ聞いていてもつかれない、それでいてリアル。Yoshii9とは違ったアプローチでのタイムドメイン再生を実現していますが、相当な実力を持っていると思います。

このセッティングは、どこで聞いてもよい音ということはありませんが、少なからず、リスニングポイント付近では相当な高音質で、自然な低い音から高い音までリアルな音を聞くことが出来ていると思います。まさかこのスピーカーからこんな音がでてくるとは100人いたら99人は信じられないでしょう。私もこんなに凄まじい音がタイムドメインミニからでてくるとは、思ってもいませんでしたから(-.-);;

(これはすごい!いけてるぞ!いいぞMINI!これならGS-1に対抗できるだろうと思いつつGS-1に切り替えるといつもその差愕然としてしまいます。相手が悪すぎます...)

ケーブルについての素人の考察  

これまでの様々なケーブルの試験結果で音の良かった(原音に忠実)だったものは
1.やわらかいもの
2.細いもの
3.制振したもの
4.被覆のないもの
です。このことをちょっと文献の内容もふまえて考察してみます。

「電流の導体中の速度」
電流の流れる速度は光速と同じ。媒体に依存せずです。一端に電流が流れはじめれば瞬時にもう一方に到達してしまいます。アンプから排出された信号はどんなケーブルでも時間差なしでもう一方に伝搬されます。

「音の劣化」
信号が変化する要因としてあげられるのが振動です。振動によって発電され、それが信号に畳み込まれます。また線は外力がはたらくとその部分の粗密が変化して振動のモードが変化(反射を含む)します。また、外にカバーなどをつけると、振動が収束しにくくなったり、配線がカバーに接触しているいないによっては振動モードが変化します。
(縦振動)
縦振動は距離に関係なくほとんど減衰しません。縦振動に関しては、振動しているものの断面積や質量を急激に変化させてインピーダンスを高くして減衰、反射させる方法が有効です。これが鉛玉によるインシュレートが効果的です。
(横振動)
一方横振動は線の素材によって吸収することができます。柔かい物質の方が、振動から熱への変換の効率がいいんじゃないでしょうか。そんなことから、柔かい素材が振動に対して有利なんだと思います。
こじつけかもしれませんが、こんなことから、
 「柔かく」
 「細く」
 「短く」
 「振動していない」
 「ピュアな素材」
な線が理想的なんじゃないでしょうか。
極端な例として純金の0.08mmの細線なんかどうでしょう。表面酸化を考慮するとやはり金糸でところどころ、金の噛み潰しでインシュレートしょうか・・・・
金の比重  19.32 (g/cm3 at20℃)
1grの体積  1/19.32*1000 (mm3)
断面積   (0.08/2)^2*π (mm2)
ということで長さは
[{1cm3/19.32g}*1000mm3]/{(0.08mm/2)^2*π}/1000mm≒10.297m
2.5mの長さでしたら左右チャンネル接続可能ですね。
1gは3,173円(2009/10/9 16:00)です。
プラスマイナスで1本とすると、1m640円ぐらいですから一般的なスピーカーケーブルですが・・・加工賃とかは不明です。

線の抵抗値と、信号の種類との関係については由井さんから下記のコメントをいただきました。
・信号ケーブルは、信号だけなのでケーブル抵抗が大きくても差支えない。
・スピーカケーブルはアンプの出力インピーダンスでスピーカの逆起電力を短絡し、電磁制動しているので、抵抗が大きいのは好ましくない。無茶苦茶小さくするのは無意味。

抵抗はケーブル長に比例、断面積に逆比例するので、バランスが必要かと。 アンプ出力側を長くするより、入力側を長くする方が、効率が良いかと。

ケーブルの抵抗値について下記のコメントをいただきました。
ユニットの逆起電力を短絡して電磁ブレーキを掛ける作用に関しては、プラス側の抵抗値とマイナス側の抵抗値の合計ですから、等価です。 
従来オーディオスピーカーは低音を共振して出していますので、ブレーキは余り効かないでしょう。
ブレーキを掛けると、共振作用がが少なくなるので、低音レベルは下がるかも知れません。
タイムドメインはmini,light,yoshii9,GS-1共、共振を出来るだけ排除したシステムですから、アクセルもブレーキも強力にした方が、キビキビ動きます。
従来スピーカは元々ブレーキ作用はないしブレーキはきませんので、低域は変化しないでしょう。抵抗を増やした方が、ボンボン低音が出ます。

 細い線(80ミクロン)の難点としましては

 1.見えない
 2.すぐに絡まる
 3.紙縒りすぎるとすぐ切れる
 4.配線の端が時折指に刺さる
 5.まとまると案外強い(絡まったときなど)
 6.ケーブルが剥きにくい
 7.いらいらしても線に当たれない
 8.鉛カシメできれる
 9.YA-1につなぎにくい
などなど。

カシメた鉛玉をカシメ直したら音がよくなったので、カシメ方が足りなかったと反省した瞬間、ペンチを鉛玉から外したら断線しました。
冷静になるのが難しい瞬間です。げっそり

細い線の採用は常識と思い込みとのギャップが激しいので、最初はだまされたと思ってお試しください。

タイムドメインミニ サンタクロース編 #timedomain

自分なりのボーダーラインとして、これを乗せるかどうかかなり迷いました。これまで紹介してきた状況でも、タイムドメインミニがかなりとんでもないことをしていることは自覚しております。(冷汗)

でもですね。この写真の状態が今まで最高の音、解像度なんです。
爺









ユニットの周りに両面テープを貼って切ったコットンを貼ったものです。名づけて「タイムドメインミニ サンタクロースVer」。決して奇をてらったわけでもなく、ウケを狙ったわけでもありません。

ユニット背面の反射音については、ユニットのブリッジにコットンを張ることによって対応しました。ということで前面のユニット近傍からもコーンから放出された音が少なからずとも反射していると考えたからです。ユニットから近い部分なので、効果はあると自分なりに考えての対処です。

でも・・・いかんせん見てくれが・・・

でも、ケルンコンサートの笑い声なんて男の人と女の人と区別できるぐらいの解像度になってしまいました。

ボーカルーの定位のシャープさは魔笛の「夜の女王のアリア by ショルティ」でよく確認するのですが、完全に定位してブレもありません。

でも・・・いかんせん見てくれが・・・

この後に及んでと言われるかもしれませんが、もうちょっとましな方法を考えてから紹介した方がよかったかもです。

でも・・・音はこれまでの最高です。これは間違いないです。

よい子はまねをしないようにしてください。
(まねする人がいるとはとても思えませんが・・・)

80μmラインケーブル誕生の逸話 #timedomain

80μmラインケーブルで初めて音を聴いたのは、2009.10.8です。
どのような経緯で、誕生したか簡単に紹介させていただきます。

由井さんから、「YA-1の内部配線は触ると切れるぐらい細い」とお聞きしてました。ならば、自分の手持ちの道具と部品の範囲で一番細いミニ⇔ミニプラグを作ろうと。

最初にLANケーブルをそのまま用いてステレオミニ⇔ステレオミニプラグを製作しましたが、SONYの市販品と同等かそれ以下でした。ということでもっと細く、もっと細くということで、LANケーブルの芯線を使ってしまえということでLANケーブルをばらしました。今までの常識からすると結構細い単線です。
§LANケーブル芯線
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配線同士をネジってつなげてから鉛玉でカシメて連結しました。
§結線方法(鉛玉で共締め)
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配線がショートしないように注意して取り回してYA-1に接続しました。
§鉛を錘がわりにして絶縁 
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そのときの感想をmixi日記から転送すると
まずは、ケルンコンサート。 冒頭の女(右)男(右中央)の笑い声ピアノをける音(右)、自転車が止まるような音(左)すべて、ヘッドフォンよりクリアーに聞こえます。 先日作成した、ツイストペアのミニミニを楽勝でぶっちぎりの解像度ととの密度です。CDにここまでの音が収録されているんですね。次にJacintha Danny Boy ・・・・・ため息・・ 次にマーラー2番・・・・・驚き・・・ 本当に凄まじい音です。なんかすごいことになってきました。 ただ・・・この状態で放置すると掃除もできません。
となっていました。

LANケーブルの芯線は1本が0.3~0.5mmぐらいでしょうか。すでにこの段階で、これまで使ってきたケーブルの音を超えてしまっていました。

人間うまくいくと調子に乗ってしまうということで。あたりを見回すとモジュラーケーブルの芯線が目に入りました。これの被覆をはがそうと思いましたが、あまりにも被覆が軟らかく線に密着していたので断念しました。この線の太さは0.065mmすなわち65μmです。もしこれが出来ていたらこの音が最高だったかもしれません。単品販売を探しましたが、さすがに短いものはありませんでした。電話線よりもRSCBの芯線の方が軟らかいので、音質的には有利なのかもしれません。

ということで、次はRSCBの芯線。通称ライカル線。Yoshii9の配線に使用されているケーブルです。この1本の太さは80μm。丁度人間の髪の毛の太さです。これを用いてLANの芯線のときと同じ手法で製作してみました。
§ライカル芯線
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§プロトタイプ1号
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これでは、線同士が接触してしまいますし、絡んだら最後つかいものになりません。ということで、無理やりな方法ですが、ダンボールに固定しました。
§プロトタイプ2号
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次に鉛玉をカシメたバージョンを作成
§プロトタイプ3号 §プロトタイプ4号
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このときの感想です。正直いってあまりにも桁外れに細かい音が聞こえて書きようがなかったと記憶してます。
この状態でも、これまで製作してきたケーブルのクオリティをはるかに超えてます。すべてが自然に聞こえます。押し付けがましくもなく、耳障りな音もなく。まだまだ、上はあるでしょうがこれまでで間違いなく最高です。 細かい音がビシバシ出てます。ライブ録音のCDなんかは、音楽以外の音が聞こえまくりです。

こうして、80μmのラインケーブルが誕生いたしました。
いまではこんなものを作って利用してます。
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ここまでやっても、時おり断線します(冷汗)

プロトタイプのような形でしたら、簡単にテストできると思います。
是非みなさんもお試しいただき、80μmの世界をのぞいてみてください。

旧大陸から新大陸へ(回顧録)

それほど数は多くありませんが、これまで所有してきた、また現在所有しているスピーカーを紹介させていただきます。

1981~1986 ALTEC9813B
 9813B
          
1986~1990 TANNOY SRM-10B            
  SRM10B

1990~1995 ALTEC A7
 
  A7

1995~2007 YAMAHA NS-7
 ns-7

2007~ Timedomain Yoshii9
    Yosshi9

     Timedomain mini
   mini

2008~ Timedomain light
    light


     BauXar Marty101
    Marty101

2008~2009 JBL LE8T
     LE8T

      D-101
     swan

2009~2009 D55ESR
     D55
     
2009~     ONKYO GS-1
     gs-1-h


こうやって振り返ってみると、住宅事情に合わせてメインのスピーカーを買い換えてきたようです。
大学生のころから聴く音楽はクラッシック中心でした。TANNOY SRM-10Bは下宿で使っていました。小音量でも優しい音がしていた記憶があります。また、このころは東京文化会館にオペラを見に行ったり、サントリーホールやカザルスホールにしばしば足を運んでました。

就職のためのに地元にもどり、一念発起してA7を購入するも当時の私では扱いきれなかったのか、迫力はあるものの、どうしても定位がぼやけて細かい音が聴けるようにはなりませんでした。このときのアンプはマッキントッシュのプリメインでした。

ある程度高価な機器を使っても、同軸ユニットを使っても定位がきっちりと定まらず、お世辞にも立体的な音が再現されず、自分が本当に聴きたい音を得ることができませんでした。まあ、このころはこれが当たり前と思っていたと思います。でも本能的に「なにかちがうぞ」と感じていました。

そんなことから、結婚してからはYAMAHAの7.1chでサラウンドを組んで映画なんかはみていたものの、サラウンドのわざとらしさにとてもクラッシクをそのシステムで聴く気になれず、STAX SR-Ω(イヤースピーカー)をメインに使っていました。

そんな折、Webを徘徊していてYoshii9,Timedomainの存在を知りました。そのときは、「8cm一発で本当にそんな音がでるのか?単に奇をてらった無指向性のスピーカーなんじゃないか」と思いました。Webでの評判が非常に高いということと、実際に楽器を演奏する人たちが絶賛していたので、一度聴きたいなと思いました。さすがに私の既成概念を完全に逸脱した形とユニット構成、そして出力でしたから。近くにその音を聞けるところが無いものかとおもい、タイムドメインさんのHPで近くにある視聴できるところは足を運びました。実際にその音を聴くや完全に度肝を抜かれてしまい、世の中にはSTAXの音が聴けるスピーカーがあるんだと思いました。Yoshii9を目の前にしても、なぜ8cmのユニット一発からここまでリアルな音がでるのか信じられませんでした。そんなことからSTAXをやめYoshii9のオーナーになりました。
その後、巷で評判の高かった長岡式のスピーカーを造ったりしましたが、Yoshii9の解像度、リアリティには遠く及ばなかったです。
そのころは、6畳の部屋でYoshii9を小音量で聞いていましたが、それでもいつも感心しながら音と音楽をたのしんでいました。ただ6畳の部屋ですとノーマルなminiやlightのほうがより扱いやすかったです。

昨年自宅を新築するのにあわせて、オーディオルームを造りました。かなりデッドな部屋となっています。そこでYoshii9をはじめて鳴らしたときの感動はいまでもはっきり覚えています。
そのころにはいつかはGS-1と家内に話しをしていましたが、家内は本気にしていなかったようです。そしてついにGS-1の程度の良いものが私の前に出現し、由井さんの後押しもありTimedomainの最高峰ONKYO GS-1のユーザーとなりました。これを機に旧大陸の遺物をすべて処分いたしました。

ちょくちょく、ハイエンドショーやショップや友人のハイエンドなスピーカーおを聴かせていただきますが、GS-1を所有する前、後の記憶をたどってもそのようなものはまだありません。Yoshii9ですらGS-1と比較すると・・・・GS-1を超えるスピーカーが出てこなければ(その可能性は限りなく低いと思いますが)メインのスピーカーを買い換えることはないでしょう。

それほど、多くのスピーカーを所有したことはないですが、タイムドメインと出会う前は、いつもどこかに「ひっかかり」を持ちながら聴いていたような気がします。その「ひっかかり」がタイムドメイン社のスピーカー群の音にはありません。

mini,lightはタイムドメインの入門機として見られることが多々あるかと思いますが、これらの真の実力はYoshii9にも勝らずとも劣らないと思います。今回のminiの改造を通してつくづくそう思いました。

今では、もしタイムドメインに出会わなければ私の音楽鑑賞の趣味がどうなっていたのか想像もできないほどです。

一番助かるのは、これ以上散財することがなくなったことですね。(笑)

タイムドメイン 雑感 #timedomain

タイムドメインミニを購入した当初は、正直申しましてYoshii9と比較してあまり音がよくないとおもっておりました。高音は伸びないですし、低い音もそれほど迫力があるわけではありませんでしたから。
そんな折、タイムドメインさんがTuneUpサービスを始められ、改良が可能なことを知りました。どこまで素人でできるのかは全くわかりませんでしたし、自己流で行っていたころはそれほど効果もありませんでした。多少なりともよい音で聴きたいと思って手をいれてました。昨年の夏に由井さんとお会いして、漠然とではありますが、タイムドメイン理論というものの目指しているところが見えてきた気がしました。その後GS-1を少しでも良い音で再生するために楽しく四苦八苦をした経験をもとにして、タイムドメイン理論の考え方を基軸にタイムドメインミニに手をいれました。

素人TuneUpは、途中でネックの部分が破損するというトラブルがありましたが、やりたかったことは一通りやり終えることができました。途中で施工内容が不安になって、由井さんからご意見をいただいたり、blogを見てくださった方々の意見や知識やタイムドメインさんの公開されている特許も参考にさせていただきました。

特に余分に付与されてしまう音(信号)の除去を主目的にしました。その対処は本体のみならず、配線、設置方法にまで及びました。頭の中でユニットから出る音がどこにどうやって作用するのかをイメージしながら作業をするとともに、リファレンスはノーマルのタイムドメインミニの音、目標はGS-1の音で比較・確認しながら作業をすすめました。音の良し悪しの基準はといいますと、いつも聞いている音楽ソースと私の蛇耳です。(冷汗)

具体的な対策内容はblogの記事に記載いたしましたのでそちらを見ていただくとしまして、簡単にはユニットから放出される音をピュアにするために、コーン紙背面からの前面への音の反射を抑えると共に、コーンの振動によって発生した本体の振動に起因する余分な音の吸音するようにしました。また、本体自身も振動をしにくいように見掛け質量を鉛シートで増加させました。設置については、支持方法に無支持というものが存在することを由井さんにお教えいただき、いかに床にユニットの信号を伝えないかということに重点をおきました。配線の処理については言わずもがな、機器からの出口に近い部分で振動を押さえ込むようにしました。

改造を終えたタイムドメインミニの音は、タイムドメインを知る以前に所有していた機材のクオリティを余裕で通り越して、タイムドメインのシステムとしても、充分メインとして使えるほどになりました。
音がのびのびとしていて、それでいて繊細。これぞタイムドメインですね。ノーマルとかけ離れてます。5cmのフルレンジ一発でここまでの音質と解像度、音場が再現できるとは思わないでしょう。すさまじい見た目とのギャップです。GS-1の前に設置してますので、初めて聞かれるとミニではなくてGS-1で再生していると間違えられるのではないでしょうか。それほどの再生能力です。

先に記載させていただいた記事の写真でもお分かりかとは思いますが、スピーカーやアンプ部の移動が困難になったり、電気的に安全ではなくなるなど実用性が犠牲になっております。まあ、まちがっても同じ手法を取られる方はいないとは思いますが、もし試されるかたがおられるようでしたら、自己責任で御願いいたします。

GS-1で音楽を聴いているとあまりにリアルすぎて、音楽にを聴くのに集中しすぎてしまいます。ミニはなにかをしながら、ふわ~っとした雰囲気で聴くのに使ってきましたが、この音ではそれが難しくなりそうです。(^^);

これまで、巷のオーディオ雑誌に載っている機材を購入し、いっときは良い音で満足したものの、本能的に「なにかちがうぞ」と感じてました。
Yoshii9の音をはじめて聴いたとき、その音に衝撃を受け、本能的に本物であることを感じ取りました。現在では25年以上前に造られていたタイムドメインの最高峰のGS-1を所有する幸運にも恵まれ素晴らしい音楽再生環境を手に入れることができました。
オーディオショップの方が、「GS-1のオーナーは一生手放されないことが殆どで、オーナーが亡くならないと市場にでてこない」とおっしゃってました。かくいう私のものも奇しくも同じ市内のオーナーが亡くなって家族の方が販売を委託されたものでした。

また、由井さんいわく、GS-1を最高の音で鳴らせたのは研究室が閉鎖される前の3日間だけとのことです。このときは部屋に入った瞬間に雰囲気、気配まで感じ取ることができてしまったとのことです。この環境は神がかりともいえるレベルとのことで、「神様がGS-1の真価をしめしてくださったのではないか」とおっしゃってました。
とてもその領域までは一生かかっても到達することができないかと思いますが、自分の好奇心を満たすため、好きな音楽を少しでも良い音、原音に近い音で聴くためにもタイムドメイン理論を念頭に置きながらこれからも楽しんでいこうと思います。

現在では、直接放射型の最高峰のYoshii9を入手することができます。Yoshii9でも2000万円級のスピーカーのオーナーがその価値を認めざるを得ないような製品です。音楽を本当に楽しまれたい方は、タイムドメイン社の製品の音を適切に設置された環境でお聞きになってください。

Yoshii9とGS-1では直接放射型とホーン方といった再生方式の違いから埋めがたい差があります。GS-1の音を聴かれたい方はご一報ください。そしてタイムドメイン理論の最高峰の音を肌で感じとっていただければと思います。

タイムドメイン理論は、自分の部屋に録音された環境を再現できる唯一の理論だと思います。



たくぼん tack_bon@yahoo.co.jp

タイムドメインミニ (小改良編 その2) #timedomain

午前中仮眠をとったあと、午後も引き続きタイムドメインミニの小改良にとりくんでました。

入力ラインの制振は完了し、期待していた効果が得られて大満足。ここでGS-1を聴いて見ましたところ・・・・・やはりレベルが違いました。

タイムドメインのスピーカーなのですが、ミニを聴いていればそれで満足してしまい、ライトを聴いていればそれはそれで満足してしまいます。そのため、ず~っとミニばかりきいていたり、ライトばかり聴いていたりとい時期が少なからずともあります。

前回までの対策で、ノーマルと比べて更に自然な音になっていまして、ノーマルのYoshii9に肉薄しているような状況でした。小音量での解像度、音像の現われ方などは、Yoshii9よりも気持ちがよいこともしばしばでしうた。

今回手を入れた部分はスピーカーケーブルです。右チャンネルのケーブルはすでにライカル線に交換済みでしたので、今回は左チャンネルのスピーカーケーブルをライカル線を途中につなぐことで延長いたしました。
スピーカー配線詳細





左チャンネルについては、付属のRCAケーブルをアンプ側から5cm程度のところで切断して、ライカル線をこよって連結し、その部分に鉛をかしめてからコットンで覆いました。また、適当に取り付けていた鉛玉の数を聴診器をつかって決めました。

全体的にアンプの部分をみると、このような感じです。
スピーカー配線






信号入力ケーブルの鉛玉をあわせると相当な数になります。コットンによる絶縁は音質に対して影響はなさそうです。

スピーカーの設置についてはかなり悩みました。背面ポートにマフラーを接続することにより音質の向上は確認できておりますが、このマフラーを後ろに取り付けるとどうしても、部屋の中央付近にミニを設置することになってしまいます。そこで、反射音は質が問題ということでGS-1なら反射音についても悪いわけがないだろうと思い、GS-1の前に設置をしました。
完成
















GS-1の音が出る位置でしたら、ある程度反射音の対策ができてますので、ポンとおいただけですごい音が再生されました。

Garry Karryのコントラバスも、YoYoMaのチェロも、マーラーの交響曲も、マタイ受難曲も突っかかるところもなく、のびのびとした自然な再生音です。GS-1を髣髴とさせる音像の大きさで楽器やボーカルがシャープに定位してとても気持ちよく聴くことができます。。

ここまでやってしまうと、さすがに持って運ぶには適してません。タイムドメイミニをその勇士(?)からは想像できない素晴らしく良い、スケールの大きな音で音楽を聴くことができます。音が部屋の中を漂ってます、

この可能性を秘めたタイムドメインミニが2万円弱で購入できてしまうのは本当に驚きです。ドカベンの里中じゃないですが、「小さな巨人」ですね。
畏れ入りました。

タイムドメインミニ (小改良編 その1) #timedomain

ここのところ、GS-1やYA-1をほったらかしにしてminiばかりいじってます。

GS-1やYA-1は私にはレベルが高すぎて、なにをやっていいのか検討がつかない状況ですし、おいそれと手が出せるようなものではありません。

タイムドメインミニですが、車で言えば私の乗っているフォルクスワーゲンゴルフと同じで、基本設計がしっかりしているので改造ベースにはもってこいかと思います。少々無理なことをやっても壊れませんし、手を入れたことに対してそのまま反応がかえってきます。

前回までにすでにダックスフンド状態にしてしまいましたが、まだまだやりたいことは山ほどあります。そのやりたいことの中にも、簡単に出来ること、時間がかかること、かなり難しいこと、壊れるのを覚悟ですること(冷汗)などに分類されます。そんな中で、簡単なことで効果が期待できることについてトライしてみました。

【擬似やじろべい化】
ゲルスピーカーの設置方法で、ベストは1点支持、次は無支持ということでしたので、現在は麻ひもで吊るような設置をして完全ではないですが無支持に近い形にしたあります。これでもかなり細かい音が再生されるようになって、音場がひろがりました。
ミニのネックの部分の上部にはユニットが、下部には倒れないようにベースがネジ止めされています。ユニットからの振動は直接ネックを伝わりベースに伝わり、その振動はベースカバーに伝わります。まず、ベースカバーを取り外して、余分な振動の要素をとりのぞきました。次にベースを取り外せばいいのですが、これでは自立させることができません。そこで、ネックの振動をベースに伝わりにくくするために、接合部分にゲルOKパッキンを挟んでゆるく締めて振動を吸収するようにしました。ネジで取り付ける以上ネジの振動がベースに伝わりますので、完全とはいえませんが殆どベース部分が振動しなくなりました。ベースとネックの接触も1点のネジとなってますので、ゲルOKパッキンで支えられているとは言うものの、ネックより上の部分は擬似的なやじろべいとなっています。さらに、ベースの部分も麻ひもで吊ってあるので、実際の床にはまず振動は伝わりません。

この効果ですが、スピーカーケーブルに鉛玉を始めて付けたぐらいの衝撃で、ラフに設置したYoshii9レベル、それ以上の解像度となるとともに音場が一気に2.5mの天井まで広がりました。これにはおどろきました。

この解像度の向上が仇になって、高音のざらつきと糞詰まり感が耳につくようになってしまいました。


【入力ケーブル被覆はがし】
ライン配線ケーブルの被覆が縦振動をつたえる媒体となっているということは、特許にも記載されてました。実際には鉛玉で縦振動は減衰できるのですが、影響は無いに越したことはないということと、これまでのRCAケーブルで被覆をはがす距離に応じて音質が向上(特に高音の抜け)した経験があったたため、取り扱いに影響のない部分について被覆をはがしました。

これで、かなり高音のヌケがよくなると共に、ざらつきが改善され音の透明度が向上がみられました。

【鉛玉によるケーブル制振】
●入力ケーブル
特許に質量増量体(ここでいう鉛玉)は非導電性のものでもよいということでしたので、今回は配線の被覆を焼くことはしませんでした。ただ、配線の被覆も樹脂ですので余分な振動を伝播する可能性はあります。、究極をめざすのでしたら配線に塗られている絶縁材を焼いてから非弾性体の綿などで絶縁すべきです。今回は、聴診器で確認しながらそのまま鉛玉をかしめました。聴診器での確認は、対象となる敗戦の上に聴診器をあてて、配線の一方の部分を爪でなぞります。すると、ササーッと爪が配線にあたる音がします。鉛をカシメ部分の前後を爪でなぞって比較して音が聞こえなくなれば鉛は充分ということになります。今回はガン玉の5Bを使いました。
補聴器鉛






被覆をはがすだけでも、高い音のざらつきは殆どなくなってしまいました。
鉛はiPod側から等間隔で書く配線に3ケずつかしめたところで、聴診器の音が聞こえなくなりました。これにより、低音にハリが出てきまして高音が艶っぽくなり奥行きも増しました。

魔笛の夜の女王のアリアのソプラノの声が、天井に突き刺さるほどです。録音の良し悪しがはっきり分かるようになると共に、OTTAVAのような圧縮音源の粗が露骨にわかるようになってしまいました。

さて、あとはスピーカー配線の対応を残すのみです。これがまた効くのでしょうね。夜通し作業をしてましたので、少し休もうと思います。

タイムドメインミニ くびちょんぱ編

blogに記載するほどのことではないのですが記録と自分への戒めのために書かせていただきます。

「くびちょんぱ」私と同じ年代の方には、懐かしい響きではないでしょうか(冷汗)

息子と部屋で遊んでいたら不覚にもミニの上に息子がしりもちをついてしまいました。

「あっ」と思いましたが時すでに遅し、ミニの首がおれてしまってました。
落胆した心を奮い立たせて修理にとりかかりました。

部品採り用の富士通ミニを取り出し、ユニットを取り外すとともに、首の折れたミニからユニットを取り外しました。ハンダ付けしてませんので簡単に取り外せました。

富士通ミニの朽ち果てたパッキンを剥がした後に、タイムドメインミニのパッキンを移植し、ユニットも移植いたしました。

あとは、ネジがバカになりつつあったので、少しボディを削って穴の中に入れた後に、瞬間接着剤をたらしました。

後は、殻の部分を元にもどして足を取り付けました。

破損







文章に書くと大変な作業のようですが、作業時間は15分でした。(笑)
久々の息子との対話の時間をミニが作ってくれました。(^^)

今前面のネジのトルクを調整しながら左右の音のバランスをとってます。

ついでにやった改造の効果に驚きながらのバランスとり作業です。改造内容は後日UPいたします。

鉛玉によるオーディオ用配線の制振の特許(抜粋) #timedomain

タイムドメインさんが2000年に特許を出願されてます。

特許って結構使えないものが多いですが、これは本当に実用的かつ効果テキメンです。

~抜粋~

【出願日】平成12年2月1日(2000.2.1)
【発明者】 
【氏名】由井 啓之


図1              図2
図1図2



図3                          図4
図3図4

 

 

 

図5              図6
図5図6


図7
図7




詳細な説明 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々のオーディオ機器の相互間、もしくはオーディオ機器の内部配線等で用いるオーディオ用配線ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオーディオ用配線ケーブルにおいて、機械振動に対する対策、特に縦波振動に対する対処方法に関する考え方は一部に存在するが、その対処法も一個所に集中して減衰させる程度のものであった(以下、従来例という。例えば、特開平10-66231号公報参照。)。また、導体と被覆部材との接触による音質劣化に関する対策も十分なものがなく、特に、縦波と横波とについて同時に対策を行ったものは現時点では皆無に等しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来例のオーディオ用配線ケーブルでは、機械的振動に関する対策を考慮したものはほとんどなく、電気的現象や電磁的現象についてのみ着目し、音質の改善を図っていた。また、振動対策を施した配線材料でも、導体の途中に相当の重量を持った金属を固着させ、その金属を緩衝材を介して基体などに固定する方法をとっているため、使用部位が限定されるなどの問題があった。
【0004】しかしながら、上述のような従来例のオーディオ用配線ケーブルを用いて高度忠実度でのオーディオ信号の再生を目指しても、機械的振動によって音質が著しく劣化したり、あるいは音質のグレードを安定して保てないという問題があった。
【0005】本発明の目的は以上の問題点を解決し、オーディオ機器の相互間、もしくはオーディオ機器内部の各電気部品間の機械的振動の伝達を抑制し、原音に限りなく近い再生音を実現することができるオーディオ用配線ケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記載のオーディオ用配線ケーブルは、導線を備えたオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記導線上に所定の間隔で繰り返し、単位長さ当たりの質量を上記導線よりも増大させる物体にてなる複数の質量増加部材を備えたことを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載のオーディオ用配線ケーブルは、請求項1記載のオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記各質量増加部材は、単位長さ当たりの断面積を上記導線よりも増大させる物体にてなることを特徴とする。
【0008】さらに、請求項3記載のオーディオ用配線ケーブルは、請求項1又は2記載のオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記各質量増加部材は、上記導線の周囲に付加されて形成されたことを特徴とする。
【0009】またさらに、請求項4記載のオーディオ用配線ケーブルは、請求項1又は2記載のオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記各質量増加部材は、上記導線と一体的に形成されたことを特徴とする。
【0010】また、請求項5記載のオーディオ用配線ケーブルは、請求項1乃至4のうちの1つに記載のオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記導線の周囲に形成され、電気絶縁材料にてなり上記導線を被覆する被覆部材と、上記導線及び上記各質量増加部材と、上記被覆部材との間に介在するように形成され、電気絶縁材料にてなり上記導線と上記被覆部材とが接触することを防止する接触防止部材とをさらに備え、上記導線と上記接触防止部材との間に、スペース空間が介在することを特徴とする。
【0011】さらに、請求項6記載のオーディオ用配線ケーブルは、請求項5記載のオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記接触防止部材は、綿又は絹にてなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0013】<実施形態>図1は、本発明に係る実施形態であるオーディオ用配線ケーブルであるオーディオ用シールドケーブル4及びオーディオ用単一ケーブル5を説明するためのオーディオシステムのブロック図であり、これらのケーブル4,5をオーディオ装置間の接続に用いたときの形態を示す。
【0014】図1に示すように、オーディオシステムは、オーディオ信号再生装置1と、いわゆるメインアンプと呼ばれる主増幅装置2と、スピーカ3とを備え、ここで、オーディオ信号再生装置1と主増幅装置2との間はオーディオ用シールドケーブル4により接続され、主増幅装置2とスピーカ3との間は1対のオーディオ用単一ケーブル5により接続されている。
【0015】以上のように構成されたオーディオシステムにおいて、例えばレコードプレーヤ、コンパクトディスク(CD)プレーヤ、DVDプレーヤ、MDプレーヤなどのオーディオ信号再生装置1により再生された低周波信号である音声信号(オーディオ信号ともいう。)は、オーディオ用シールドケーブル4を介して主増幅装置2に出力され、主増幅装置2は入力される音声信号を増幅した後、オーディオ用単一ケーブル5を介してスピーカ3に出力し、スピーカ3は入力された音声信号を可聴音に変換して再生する。
【0016】図1のオーディオシステムでは、説明を簡略化するために、1チャネルの音声信号を再生する場合を示しているが、右チャネル及び左チャネルのステレオ信号を再生する場合は、各チャネル毎にオーディオ用シールドケーブル4及び1対のオーディオ用単一ケーブル5が設けられ、各チャネル毎に音声信号がこれらオーディオ用シールドケーブル4及び1対のオーディオ用単一ケーブル5を介して伝送される。また、図1のオーディオシステムでは、アナログ音声信号の場合を示しているが、ディジタル音声信号であってもよい。さらに、本実施形態に係るケーブルは、音声信号の再生も行う映像機器を含む種々のオーディオ機器の接続に適用することができる。
【0017】上述のように、従来例のオーディオ用配線ケーブルを用いて高度忠実度でのオーディオ信号の再生を目指しても、機械的振動によって音質が著しく劣化したり、あるいは音質のグレードを安定して保てないという問題点があった。この原因は、本発明者らの実験や考察によると、オーディオ信号再生装置1において音声信号の再生時に当該装置1内の電子部品が振動し、その振動がオーディオ用配線ケーブルの中心導体を介して縦振動の形式で伝達され各機器の電気信号に畳み込まれ、再生音の質を劣化させていることが判明した。この現象を防止するために、本発明に係る実施形態では、中心導体を介して伝達される縦波振動を減衰させる手段として、中心導体20や導体30の途中にそれぞれ、導体20,30の単位長さ当たりの質量よりも大きい質量増加導体21又は質量増加部31を形成して、機械インピーダンスを急激に変化させることにより振動を反射、減衰させる方法を用いる。
【0018】<第1の実施形態>図2は本発明に係る第1の実施形態であるオーディオ用シールドケーブル4の構造を示す一部破断側面図であり、図3図2のA-A’面の断面を示す縦断面図であり、図4図2のB-B’面の断面を示す縦断面図である。
【0019】図2において、例えば銅、金又は銀などの金属にてなり所定長さの導線である中心導体20には、例えば鉛又は銅などの金属にてなる、例えば球形状の複数の質量増加導体21が中心導体20の長さ方向に対して所定の間隔で繰り返し、かしめられて固着で取り付けられている。ここで、各質量増加導体21においては、図4に示すように、その中心を通るように貫通する貫通孔21aが形成され、貫通孔21aに中心導体20を通過させ、質量増加導体21の外側から内側方向にかしめることにより質量増加導体21が中心導体20に固着される。また、中心導体20と質量増加導体21の外周には、スペース空間22を介して、縦振動吸収内張部材として機能し、例えば綿又は絹などの天然素材の電気絶縁材料にてなる被覆部材23が巻回されている。さらに、被覆部材23の外周には、例えば銅、金又は銀などの金属にてなり、例えば網形状の接地導体24が形成され、当該接地導体24の外周にさらに、当該オーディオ用シールドケーブル4の最外側に位置し、例えばビニールなどの合成樹脂等の電気絶縁材料にてなる外被の被覆部材25が形成されている。
【0020】ここで、接地導体24の内側に位置するスペース空間22、被覆部材23及び25は、中心導体20及び質量増加導体21を締め付けないように、すなわち、中心導体20及び質量増加導体21における機械的な振動を強制的に抑制しないように構成している。これについて以下に詳述する。本実施形態における被覆部材としてどのような素材を用いても音質面での劣化は免れず、裸線を用いるのが最良である。特に、石油系の絶縁チューブで中心胴体20を強く締めつけると音質は大幅に劣化するが、他の導体との電気的絶縁を施すことは必須であり、裸線では実用的ではない。そこで、本実施形態では、被覆部材23及び接地導体24の厚さを考慮して質量増加部材21の外径を若干上回る内径を有する外被の被覆部材25を用いることにより、被覆部材25による締めつけを全くしないような構造とし、さらに質量増加導体21が直接に接地導体24や被覆部材25に接触するのを防止するため、被覆部材25及び接地導体24の内面を綿又は絹などの天然素材にてなる電気絶縁材料で内張りして、外被である被覆部材25と質量増加導体21との接触振動を防止する構造としている。
【0021】中心導体20の一端は、ピンプラグ11の中心導体11aに接続され、接地導体24の一端は、ピンプラグ11の接地導体11bに接続される。一方、中心導体20の他端は、ピンプラグ12の中心導体12aに接続され、接地導体24の一端は、ピンプラグ12の接地導体12bに接続される。
【0022】本実施形態において、中心導体20の導線としては、例えば、直径0.32mm、長さ1000mmの銅線が使用でき、質量増加導体21としては、例えば、直径5mmの球状の鉛材が使用できる。
【0023】本実施形態においては、中心導体20に複数の質量増加導体21を、所定の間隔で繰り返し固着形成しているが、これは以下に示すように、音声信号を中心導体20を介して伝送するときに生じる、中心導体20を伝搬する縦波の機械的な振動を大幅に減衰させるために用いる。
【0024】一般に特性インピーダンスが異なる媒体に縦波が伝搬するときは、特性インピーダンスが変化する部分で反射が生じ、見かけ上の減衰が生じることが知られている。媒体の特性インピーダンスZは、次式で表わされる。
【数1】Z=mc【0025】ここで、mは単位長当たりの媒体(本実施形態においては、導体20及び質量増加導体21)の質量であり、cは媒体中の音速である。さらに媒体の密度ρと断面積Aを用いて、次式で表される。
【数2】Z=ρA【0026】音波のような縦波が、特性インピーダンスがZ1である第1の媒体から、特性インピーダンスがZ2である第2の媒体に伝搬する場合の振幅反射率rは、次式で表される。
【数3】r=(Z1-Z2)/(Z1+Z2
【0027】この場合の伝搬する信号の減衰量Rは、次式で表される。
【数4】
R=10×log(1/(1-r2))[dB]
【0028】この振幅反射率r並びに減衰量Rの計算式により、第2の媒体の特性インピーダンスZ2が第1の特性インピーダンスZ1に対して14倍以上となると、減衰量Rは6dBとなる。6dBは人が効果的に聴感し得る一般的な値であり、本発明の振動遮断装置の効果を判別することができる。また、第2の媒体の特性インピーダンスZ2が第1の媒体の特性インピーダンスZ1に対して62倍以上となると、減衰量Rは12dBとなる。なお、聴感上は、減衰量Rは更に大きい方がよいことは言うまでもなく、18dB以上であることが望ましい。この場合、第2の媒体の特性インピーダンスZ2は第1の媒体の特性インピーダンスZ1の約250倍となる。本実施形態においては、減衰量Rは好ましくは18dB以上が必要であり、より好ましくは、10dBから100dBであることが必要である。
【0029】一般にその特性インピーダンスは、上述のごとく媒質の単位長当たりの質量と伝搬速度との積に等しく、また、伝搬速度は媒質の密度やヤング率等が関係するが、この際、配線導体(例えば銅)に対して、数倍以上の密度並びに音速を有する媒体は現実的ではないので、実際的には断面積を変化させることになる。すなわち、図2乃至図4に示すように、質量増加導体21の断面積は、中心導体20の断面積よりも大きくなるように設定され、これにより、特性インピーダンスを変化させ、縦波の振動を減衰させている。
【0030】以上説明したように、本実施形態に係る質量増加導体21は、従来一部で試みられている一点集中型ではなく、被覆部材23,25の内部に挿入できる程度の小型の質量増加導体21を中心導体20上に所定の間隔を置いて繰り返し連続して固着したいわゆる分散方式をとっている。この小型の質量増加導体21は、1つ当たりの縦波の減衰量は小さいが、多段にわたって繰り返し連続させることによって総体的には大きな減衰量を得ることができる。
【0031】また、被覆部材23及び接地導体24の厚さを考慮し各質量増加導体21の外径を若干上回る内径を有する外被の被覆部材25で覆うことによって、配線時の電気絶縁の安定性を確保し、任意の長さで切断可能な利便性の高いオーディオ用配線ケーブルとすることが可能である。
【0032】さらに、被覆部材25及び接地導体24の内面を綿又は絹などの天然素材の被覆部材23により内張りにすることによって、質量増加導体21が直接的に接地導体24や被覆部材25に接触することが防止され、質量増加導体21自体の機械的な振動を緩衝することが可能となり、信号伝達の忠実性をさらに向上させることができる。
【0033】<第2の実施形態>図5は、本発明に係る第2の実施形態であるオーディオ用単一ケーブル5の構造を示す一部破断側面図である。このオーディオ用単一ケーブル5は、図2のオーディオ用シールドケーブル4に比較して、接地導体24を形成せずに単線構造としたことを特徴としている。当該オーディオ用単一ケーブル5の両端では、中心導体20が裸線の形式で引き出されて所定の端子に接続される。以上のように構成されたオーディオ用単一ケーブル5は、電磁シールド作用を除いて、第1の実施形態に係るオーディオ用シールドケーブル4と同様の作用効果を有する。
【0034】<第3の実施形態>図6は、本発明に係る第3の実施形態であるオーディオ用単一ケーブル6の構造を示す側面図である。このオーディオ用単一ケーブル6は、導体30と、それと一体的に形成される質量増加部31とを備えて構成され、被覆部材を形成していない。
【0035】本実施形態においては、導線である導体30上に所定の間隔をおいて繰り返し、瘤状隆起物である複数の質量増加部材31を一体的に形成させて製造したものである。このオーディオ用単一ケーブル6は接続する部品間の距離にあわせて任意の長さに切断して使用することができるため、絶縁を必要としない部分に適用できる。導体30の導線としては、例えば、直径0.32mmで任意の長さの導線で、質量増加部31としては、例えば、直径3mmの隆起瘤であればよい。ただし、これらは、一例であり,使用状況に応じて種々の変更が可能である。
【0036】従って、本実施形態によれば、導体30上に所定の間隔で繰り返し形成する質量増加部31を、第1の実施形態のごとく外部付加部材とせず、導体30自体を局部的に瘤状に形成することによって、第1の実施形態と同様の作用効果を有する。このオーディオ用単一ケーブル6は、一般配線材並に使用することができる。
【0037】<第4の実施形態>図7は、本発明に係る第4の実施形態であるオーディオ用単一ケーブル7の構造を示す一部破断側面図である。この実施形態に係るオーディオ用単一ケーブル7は、第3の実施形態のオーディオ用単一ケーブル6における導体30及び質量増加部31を、第2の実施形態のオーディオ用単一ケーブル5に適用したものであって、オーディオ用単一ケーブル5の導体20及び質量増加導体21にとって代わって形成されている。このオーディオ用単一ケーブル7は、オーディオ装置内部の各部品相互間を接続する被覆配線ケーブルに適用可能である。従って、本実施形態によれば、第3の実施形態の作用効果に加えて、導体30を被覆して配線することができる。
【0038】
【実施例】第2の実施形態において、中心導体20上に複数の質量増加導体21を所定の間隔をおいて形成しているので、1つの質量増加導体21当たりの減衰量Rを6dBとすると、2つの質量増加導体21を形成することで減衰量Rを12dBにすることができるが、間隔があまり狭いと効果は減退する。
【0039】本発明者によるオーディオ用単一ケーブル5の実験では、2mの中心導体20上に間隔0.1mおきに1個5grの質量増加導体21を19個固着して、中心導体20と質量増加導体21との重量比を70~80倍にした。このとき、減衰量Rは1つの質量増加導体21当たり12dB以上あり、全長で200dBをクリアーし、完全に縦波振動を遮断できたことを確認した。
【0040】例えば、第2の実施形態に係るオーディオ用単一ケーブル5では、質量増加導体21の形成間隔は好ましくは、約10~20cmであり、第1の実施形態に係るオーディオ用シールドケーブル4では、5cm間隔程度が適当でかつ実用的である。
【0041】<変形例>以上の第1の実施形態においては、オーディオ用配線ケーブル4の両端において、接地導体24を接続しているが、片方の端部のみ接地導体24を接続してもよい。また、接地導体24及び被覆部材24の内部において、それぞれ複数の質量増加導体21を備えた1対の中心導体20を収容するようにしてもよい。この場合、1対の中心導体20を接地導体24から絶縁した平衡型ケーブルであってもよいし、一方の中心導体20を接地導体24に接続した不平衡型ケーブルであってもよい。
【0042】本発明に係るオーディオ用シールドケーブル5やオーディオ用単一ケーブル6,7,8は、一般にいうオーディオ機器のみならず、高周波帯域の信号を処理するテレビや医療機器などにも広く適用でき、同様の作用効果を得ることができる。
【0043】以上の実施形態において、質量増加導体21及び質量増加部31は、固体、剛性体又は剛体などの物体にてなる。ここで、質量増加導体21に代えて、導電性を有しない物体でもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るオーディオ用配線ケーブルによれば、導線を備えたオーディオ用配線ケーブルにおいて、上記導線上に所定の間隔で繰り返し、単位長さ当たりの質量を上記導線よりも増大させる物体にてなる複数の質量増加部材を備える。ここで、上記各質量増加部材は、好ましくは、単位長さ当たりの断面積を上記導線よりも増大させる物体にてなる。また、上記各質量増加部材は、上記導線の周囲に付加されて形成され、もしくは、上記導線と一体的に形成される。
【0045】従って、本発明によれば、オーディオ機器間及びオーディオ機器内部の電気部品のうち少なくとも一方に使用される配線において、本発明に係る上記各質量増加部材は、装置間又は機器内部の導線を介して伝達される縦振動を、従来例に比較して大幅に減衰させ、オーディオ機器間及びオーディオ機器内部の振動伝達を抑制し、正確な波形処理再生を可能とし、その結果オーディオシステムとして原音に限りなく近い再生音を実現することができる。
【0046】また、上記オーディオ用配線ケーブルにおいて、上記導線の周囲に形成され、電気絶縁材料にてなり上記導線を被覆する被覆部材と、上記導線及び上記各質量増加部材と、上記被覆部材との間に介在するように形成され、電気絶縁材料にてなり上記導線と上記被覆部材とが接触することを防止する接触防止部材とをさらに備え、上記導線と上記接触防止部材との間に、スペース空間が介在する。ここで、上記接触防止部材は、好ましくは、綿又は絹にてなる。
【0047】従って、本発明によれば、上記各質量増加部材が直接的に上記被覆部材に接触することが防止され、質量増加部材自体の機械的な振動を緩衝することが可能となり、信号伝達の忠実性をさらに向上させる
ことができる。


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