新大陸への誘い

 If it measures good, and sound bad, it is bad.
ファインメット関連
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今回真空管アンプの回路に単段を選択したのは、シンプルイズベストとなるかという事を試すためでもあります。本来でしたらPPではなくて最もシンプルなシングルで構成したいとことですが、手持のアウトプットトランスがプッシュプルのものであったことと、ある程度出力も確保したかったということがあります。

部材がそろって回路が決まれば後は手を動かすだけ。
初めてのプッシュプルなのですが、シングルの倍の量の部品を組む必要があります。けれども、今回は単段という事で、メインの2A3の3段増幅と比較すると1/3。総合的に見ると2/3の手間ということでなるのでしょうか。
私が作ると持ち運びができない仕様になってしまう事が多いので、今回は少なくとも家の中での移動ができることを念頭に製作しました。
電源部については、電源トランス、整流回路、平滑化回路とすべてコンセントをつかって接続しました。
横に引っかけてあるセメント抵抗はコンデンサーの電荷抜きのためのものです。今回は150V以下ということで、2A3のメインの半分以下の電圧ですが、やはり作業するとき不意の感電は避けたいものです。
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 本体の増幅部ですが、真空管周りの回路は同じものを4つ組む事になります。シャーシを加工するのは大変ですので、真空管IVと同じ基板に穴をあけてソケットを固定してピンを立てて接続できるようにしました。
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 カソードコンデンサーと抵抗、そしてアウトプットトランスは箱の中にいれました。配線はソケットで接続しているのでそれぞれバラバラにできますのでメンテナンスも比較的簡単です。
最終的な回路はこんな感じです。3段目のコンデンサーの後にもう一つチョークをいれようかどうか迷っているところです。
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(※クリックして拡大)
アンバランス→バランス変換は、TLT-1010を2.5k:10k(2.5k:2.5)で使いました。アウトプットトランスは8kΩ固定なので、アウトプットトランスのゲテモノ使いで出力の接続端子で見かけ上の1次側のインピーダンスを調整です。
このところ、帰宅してもなかなか時間がとれなかったのですが、隙間の時間をつかってなんとか音出しまでこぎ着ける事ができました。
B+は整流後143Vですがプレートにかかっている電圧は135V、カソードの電位は1.7Vぐらいです。17mA程度しかながれていませんので、プッシュプルとはいえ1Wぐらいしかないのではないでしょうか。
この球ですが、52mAまでながせますがそこまで流そうとすると、プレートの耐圧の150Vでは流すのが難しいです。
6C45Π 単段3結プッシュプルアンプ。想像以上にキレの良い音がします。電源が電源ですので少しまったり感は否めませんが、出力も普段使いには充分ですし空間の再現性もかなり高いです。欲をいえば、チョークをファインメットにしてしまいたいところですが、まずは手持の有り合わせでつくりましたのでしかたがありません。
今回は、電源部と増幅部を完全に分けてケーシングしたので、当初の目的の持ち運びをすることは達成できました。
しかしまあ、球一発でこれほどまでのクオリティの音が出てしまうとは正直言って驚きです。低音の出方がシングルとは異なってキレがいいですね。能率の良い励磁スピーカーに接続すると充分すぎるほどの音量はとれています。しかしながら、ごり押しのパワー感は希薄です。こればっかりは無い物だと思います。一応そこそこの特性のフィルムコンをつかいましたのでメインと比較しても違和感はそれほどでもありません。

さて、ようやくサブのアンプのスタートラインにたてました。やはりシンプルイズベストは成り立っているようです。これから勉強しながらいろいろ試していこうと思います。それにしても一般的に市販されている真空管アンプがなぜあんなにコンパクトに収まるのか不思議でなりません。(笑)