新大陸への誘い

 If it measures good, and sound bad, it is bad.
ファインメット関連
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GS-1を購入してYA-1を使って再生してみて、どうしても音が納得することができませんでした。もともと振動対策が施されているYA-1ですが更につきつめて振動対策しても良くはなるものの大筋は変わりませんでした。YA-1はYoshii9の解像度ですと十分なのかもしれませんが、GS-1では役不足と感じました。ユニットを強烈に制動できるアンプがあれば、どんなスピーカーでも時間軸に正確に再生ができるとのことで、その際に使われていたアンプは3段ダーリントン回路のトランジスターアンプとのことでした。
由井さんもこの講義で仰られておられるように、フィードバックを利用したアンプはスピーカーからの逆起電力の信号も入力側に混じりこんでしてしまって、増幅する信号そのものの時間軸をくずしてしまいます。アンプICとしてはLM3886なども試しましたがYA-1同様にフィードバック型ですので傾向としては同じでした。もちろん、mini,lightに搭載されているアンプICもフィードバック型のアンプです。
 
タイムドメイン社の特許を検索してみるとスピーカーの構造、なぜかコーン紙を入力シグナルに対して正確に動作させる事に関する事が多く見受けられますが電気的なシグナルの時間軸に対する正確性に大しての記述はみあたりませんでした。時間軸に対する正確な再生を掲げておられるのにあえてYA-1やmini,lightのアンプにフィードバックをつかったICのアンプを使われているのは、システムとして商品化にするための妥協点なのかもしれません。

では・・スピーカーを正確に制動制動できるアンプで駆動したうえで、振動対策を行ったら一番いいのではと考えました。
アンプを正確に動作させるには電源がとても重要です。電源についても同様の理由で負荷からの反射の影響が必ずあるので、フィードバック型のものでは負荷を理想的に駆動するのには向いていないと思います。そのため電源も無帰還電源とすべきだと考えました。しかしながらトランジスタアンプは低電圧、大電流型で理想的な電源を組むためには特性の良いコンデンサーが大容量必要となりチョークについても大型物が必要となります。真空管は真空管自身の機械的振動を抑える事は非常に難しいですが、小電流、高電圧で駆動するためことができるため特性の良いコンデンサーも小容量ですませることができ、小型なチョークで構成することができます。財力の都合上、必然的に真空管アンプを選択することになりました。

その頃、真空管アンプについては全くと言っていいほど知識もないため、由井さんがこれまでにGS-1をドライブしてきたアンプの中で一番良かったのが2A3シングルだったとのこともありましたので、安直な考えでサンオーディオさんのSV-2A3 無帰還シングルアンプを導入しました。これで全てが終わると考えたのですがその考えは甘かったです・・・・・・
無帰還シングルのSV-2A3でも低域のボケがどうしても解消されず空間再現性がうまくできないということに直面し、使用するコンデンサーについても位相やインピーダンスの変化がなだらかな物が良いとのことでしたので測定しはしてみましたが、ケミコンでそのようなものはみあたらず特性がそのまま音に現れてしまうといった状況でした。異種をパラ使いすると其々のピークが合成され、同種をパラにしても完全に一致しないので、容量が安定しなかったりすることもありました。

路頭に迷っているときに出会ったのがSamizuAcousticsさんのCV4055 PPの化け物ケミコンレスのファインメットアンプでした。低域の早さはこれまでのアンプとは次元が異なる物でファインメットアンプの高い可能性を感じました。それを参考に、SV-2A3シングルアンプのケミコンを排除するとともにオールファイト化するに至り、最近ではよりシンプルな構成をめざして最近では6C45Π単段A級PPに取り組みました。

時間軸を正確に再生するために工夫されているタイムドメインさんのスピーカーを無帰還アンプでならすとどうなるかということで、試しにTimedomain miniを6C45Πの単段オールファイトアンプを使ってドライブしてみましたところ、位相そろった空間がいとも簡単に再現されました。
これまで、Timedomain miniについてもいろいろ振動対策をして、細かい音が聴こえるような努力をしてきましたが、あくまでも純正のフィードバック型のアンプでのトライでしたので、無帰還アンプで再生したときと比較すると再生される信号に時間軸がずれているせいか、限界点は低くフォーカスも甘いものでした。

「時間軸正確に再生」には位相特性、インピーダンス特性の変化の少ない部品で構成された無帰還電源、無帰還増幅が必須でデジタル処理も良質なクロックは非常に重要で、オーバーサンプリングのように信号を作り出さないNOS方式が適していると思います。
スピーカーの振動対策は非常に重要な要素ですがそれだけでは片手落ちだと思います。直接放射型ですとやはりフェライトにしてもアルニコにしても磁力特性が音に現れてしまうので、理想的には電磁石の励磁方式しかないのですが、これはこれで磁力を作り出すための電源が必要なためアンプと同様の電源の検討が必要になります。あと考えられるのはGS-1のように計算ずくでホーンロードを利用して抵抗制御をしてしまうぐらいしかないのではないでしょうか。

しかしまあ、やりたいこといっぱいで楽しすぎますね。(^^