2018/10/20

2A3シングルアンプ メイン機

GS-1をドライブするアンプとしてのタイムドメイン社推奨のYA-1のドライブ不足感を解消するために真空管アンプに可能性を見いだしてサンオーディオ SV-2A3を導入したのが、2012年4月。あれから6年半。ようやくGS-1を強制的にドライブできるアンプにたどりついたのではないかと思います。
電源以外の回路構成はSV-2A3を踏襲してはいますが、部品や電源回路は全く異なります。途中、オリエントコアの限界やケミコンの音への悪影響などの考察もあって、コアは全て特注ファインメット、コンデンサーは全てフィルムコンでカップリング以外はCDE 944Uの構成となっています。
先日、簡易電源で粗組みでの音だしができましので、音合わせをすべくメインの電源をつないで実際に音楽を再生しながら部品定数や回路の調整、配線の検討を行いました。この作業は実際のところは終わりがないのですが、ある程度まとまりましたのでいったんエージングして様子をみることとしました。
最終的な回路図はこちらになります。
2A3

【信号配線】
「低電圧」
増幅団への入力信号は電圧も低いので柔らかく付帯音の少ないモガミ2706を使いました。これはYA-1の信号ラインの内部配線にも使われています。
「中高電圧配線」
モガミ2706の耐圧が30Vのため中高電圧配線につかうのは適切ではありません。また太すぎる配線だと低域の定位が曖昧なったり、高域のバランスがくずれたりします。粗組み時は0.8mmの単線としていましたが、単線であるがゆえに振動に非常に敏感で高音のクセが取り切れずに、最終的には22AWGのMill Gradeのシールド線の芯線をつかいました。これは電力供給時の隣接効果のキャンセルの狙いもあります。
「ヒーター配線」
電流値が大きいため当初1.25sqのより線を用いていましたが、2A3のような直熱管の場合かなり音に影響するのが分っていましたのでかなり試行錯誤しました。中高圧電源とMIl Grade線では補足で安全率が低いのですがパワー不足も感じませんでしたので一旦こちらに変更して様子をみています。ヒーター配線については更に検討を進めようと思います。
「電源回路」
電源の基本構成は420-0-420のACをRohmのSiCダイオードで両波整流しました。当初4段チョークインプットとしていましたが、DCRが高くなるため増幅段とパワー段を独立した平滑化の回路としました。
本来は特性の良いCDE 944U 47uF以下の容量のものを使いたかったのですが、電源部へ割り当てる事ができる数が手持で確保できなかったので100uFを多用しています。
・パワー段電源
パワー段については4段チョークインプットの構成としました。1段目は24Hのシングルコアよりも高域特性に優れているダブルコアを用い、2段目は12Hとしてフィルター効果を狙い、3段目は1Hのチョークと47uF以下の944Uで構成して負荷に対するレスポンスの良い構成としました。アウトプットトランスに一番近い7mHのチョークは微弱な逆起電力の吸収にも対応する目的もあります。基本的に電源のコンデンサーやチョークは平滑化の意味合いもありますが、逆起電力の吸収といった側面もありますので、周波数特性や位相特性が非常に重要です。
・増幅段電源
こちらは3段チョークインプットの構成です。パワー段と基本的には同じ目的の回路構成ですが、こちらは負荷からの逆起電力の影響はあまり考慮していません。24Hで平滑化、10Hでフィルター、32Hで縁切りの目的です。32Hを接続することで電源の変動による影響はほぼ感じなくなります。パワー段とほぼ同じ構成であるにもかかわらず、パワー段の方が消費電力が大きいため、パワー段の出力は320V、増幅段の出力は340Vとなっています。420Vacの両波整流チョークプットですので、適正な範囲の電圧です。
パワー段、増幅段ともに音の調整は可聴域外まで特性の良いBlackMatter 0.1uFを要所に配置することで対応しました。
「パワー段回路」
カソードコンデンサーは944U 33uFを3パラとしました。当初100uFを一つつけていましたが高域の位相がくずれてしまいました。また、抵抗はこれまでで一番音質的に良かったWEの板抵抗としています。アウトプットトランスを大型にしたためDCRが低くなりプレート電圧が317Vとなっています。カソード抵抗は1kΩをとりつけて電流値は少なめとしていますので、ヒーター電源だけ準備できれば300Bも駆動可能です。アノード電圧は50Vですので、267Vが2A3にはかかる事になりデーターシート上の最大電圧の250Vを少し超えてしまっていますが、動作点は許容範囲内でまた、RCAなどの古典管をつかわずにSOVTECやPUSVANなどの新しいタイプをつかっているので問題無い範囲だと思います。プレートをみても特に赤熱していうということはありません。
グリッドリーク電流の処理は、600H ファインメットチョークと抵抗の合わせ技で音質の調整代をとっています。こちらにつきましては別途記事として紹介させていただいています。
「増幅段回路」
基本的にサンオーディオのSV-2A3を踏襲していますが、増幅段の電圧調整の2.7kΩの抵抗の後に100uFを左右チャンネルそれぞれ取り付けています。ここのインピーダンスを低くしておかないと低音への影響が大きいです。使用した抵抗はVishayの無誘導巻き線抵抗を使っています。この抵抗の品質もまた音質に直結するところですのでWEの板抵抗にしたいところですがなかなか入手が難しいです。また、増幅段2段目のカソードコンデンサーですが、47uFでは容量不足でしたので100uFをパラで接続しました。ここもパワー段と同様33uFx3したいところですが手持ちの部品の都合で妥協しているポイントです。

非常に解像度の高く空間再現もいびつになることがない、全帯域で自然な再生音のアンプとなりそうです。
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