2018/11/12

TDA1545A IVトランス

SamizuAcousticsさんからTLT-1545ssWJがついに発売になりました。
TDA1545Aを理想的にIV変換するものを目指して、春先からトランス設計者の方とともにDACの特性や既存のトランスによるデーター取りに明け暮れていました。目標としたのは2mAというTDA1545Aの微弱な電流出力の変化にも敏感に反応して全体域インピーダンスおよび位相特性フラットな特性です。また汎用性をもたせるためにTLT-1010の特性を遥かに凌駕するライントランスとしてもつかえるようにインピーダンスの比率を1:1としました。

諸特性の中で重要なのは、内部抵抗値とオープルインピーダンス。TDA1545Aの内部抵抗はデーターシートに記載されていないため、測定をしたところ周波数によっても異なりますが3kΩ〜4.5kΩとPCM63とは比較にならないほど高い値となりました、このためトランスのDCRは低く抑える必要があります。また、オープルインピーダンスは全帯域1090Ωでしたので、トランスのインピーダンスは1090Ωとしました。
DCRを低く抑えてインピーダンスを確保するには巻き線を太くする必要があり、コアサイズが大きくなります。コアサイズは大きければ大きいほど音質に対して有利なのですが、ひとまずの妥協点として90VAのコアサイズにすることとしました。(失敗した際の懐へのダメージが大きいためです。)
層間紙の種類や巻き線の巻き方などについても打ち合わせをしてスペックを決めさせていただきました。
9月のタイ出張からもどると、プロトタイプが届いていました。
FMTTDA1545A
これまではTLT-1010でも大型だと思っていたのですが、想像以上のサイズと重量です。
早速インピーダンスをハイテスターで測定すると1次も2次も1090Ωで要求スペックどおりでした。
次にDCRを測定してみて仰天しました。
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なんと9Ω!!これならばTDA1545Aの微細な出力も余すところ無くトランスに送る事ができます。
いてもたってもいられず、メインDACに取り付けられていたTLT-1010を取り外してオシロスコープとHIOKI 3522 LCR HITESTERをつかって0dBでひずまない最大値に合わせ込みました。
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いてもたってもいられず、期待に胸を膨らませながら音楽を開始。

無音部分の音にならない音の会場の雰囲気がこれまでのTLT-1010とは次元が異なるレベルの濃厚さで期待感MAX。
最近少々のことでは驚かないのですが楽器の音が出るなり背筋に戦慄が久々に走りました。すさまじいまでの全帯域の情報量とレスポンスそして低域のリアルさです。バスドラムのアタックの音の立ち上がりが凄まじく音の固まりがリスニングポジションに向けて生のライブのように波動とともに飛んできます。ダブルベースの胴鳴りも弦を弾くたびに感じられ音階もすべて難なく聞き取れます。楽器と楽器の間の空間も自然でリアルそのもの。特に低域のレスポンスはすさまずく、これまでのTLT-1010が低域で詰まっていたと思わざるを得ないほどの違いでした。脳内補正が少なくなるので、すぐ眠くなるのが難点ではあります。

これにともなって、DAC電源や真空管アンプの問題点が露出したので、そちらの方の修正すべき点も簡単に見つける事ができるようになりました。

製作者の方から世の中に無いものを作るのには時間も手間もかかるということで、時間がかかりましたが想像を遥かに超えるものをつくっていただき大変感謝してます。






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