これまで、増幅段とパワー段の結合は作例も多く回路も簡単なこともあり最も一般的なCR結合の構成としてきました。この結合コンデンサーで音質が変わる事は周知の事実で、オリエント電源を使った構成の場合は1uF以内の比較的小さい値の物が用いられていました。ファインメット電源を使った場合ですと増幅された低域のパワーを伝え切る事ができないと感じたため1uF〜2.2uFとしてきました。
この部分ではHPFの構成になるため、低域のカットオフ周波数を計算をするのですが、どちらの場合も可聴以下となっています。ただ、コンデンサーの特性上電荷をためてから放出するという特性があるため、時間的なずれが発生します。DCをカットする方法にトランスをもちいたものがインターステージ結合と理解していますが、以前ファインメット電源の構成でオリエントコアの有名どころのコアを使ったテストをした事もあるのですが、芳しい結果が得られませんでした。
先日の打ち合わせの中で、インターステージトランスに求められる特性が話題になった際に下記の事が上げられました。

 1.周波数特性はともかく位相特性が最低限可聴域でリニアな事
 2.巻線比は1:1
 3.DCRはできるだけ低く
 4.コアを飽和させない領域で使用する

さすがにこのようなトランスはありませんでしたので、ライントランスのTLT-1010(以下1010)を使ってテストしてみました。このTLT-1010ですがアンプの回路構成で想定されるような電流を流すとすぐに飽和しますし、DCRも決して低くありませんのでインターステージトランスとして使うにはかなり制限されます。

6GB8シングルの増幅段のカソード抵抗は390Ω。電圧は2.5V程度ですので無音時に7mA程度が流れています。この値が1010に対して大きいのか小さいのか確認したところ、かなり大きい数字で仮にここで1010を使うとした場合、最低でも直流磁化の影響を少なくするためにGapをもうけるべきだという事でした。
まあ、始めてのファインメットコアでのインターステージの取り組みでしたので味見だけでもできるだろうということで段間結合コンデンサーを取り外して組み込んでみました。
1010
出力された音ですが、TLT-10101のリニアな特性もあいまって音質はコンデンサとは別次元のものでした。以前パラフィード方式で段間結合コンデンサで直流をカットしてからパワー管との間に1010を設置したことはありますが、そのときの音とも全く異なります。
やはり、信号ラインにシリーズでコンデンサーを配置することは、相当な音質の劣化を感じずにはいられません。私に取っては、けっこう衝撃的な結果でした。
しかしながら、やはり低域が弱くなる傾向でした。専用に設計されていないので仕方がないかもです。室内楽や声楽は相当気持ちよく自然に聴こえました。トランスの使い方を変えていろいろ試してみようと思います。
回路図はこんな感じです。
!6GB8 -Interstage3