真空管アンプのバイアス回路で一番音質的にすぐれているのは固定バイアスだと思います。この固定バイアスですが電流はほとんど流れないものの真面目に電源を作らないと音質に相当悪影響を及ぼします。以前6C45Pi PPを製作したときは、電池を使いましたが思ったような結果が得られず自己バイアスに戻してしまいました。また使用する部品の特性がまともに音に現れますので手抜きした部品を使うわけにもいきません。
ダイオードバイアスにすることで944U 100uFが2個取り出すことができたので、これを固定バイアスの回路に組み込むことにしました。電源は30VA程度の小型の20Vac出力のファインメット電源をつかいました。整流回路は8417を製作する際の初期に製作したときの半波整流の簡易的な回路としました。これで-3~-1V のC電源を作ります。
手持ちの部材の流用ですのでブリーダー抵抗にはWE板抵抗を使いました。( バイアス入力直前の944U 33uFは乗り切らなかったので別置きとしました。)
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ひとまずまな板の上に並べて部品の配置を決めました。GND側の戻りチョークには10mHのファイトチョークをとりあえず準備しましたが、これはファインメットビーズでもいいかもしれません。全体の回路図はこんな感じになります。
6C45Pi FIX
信号の入力部にカップリングコンデンサでDCをカットする回路はよく見かけますが、このアンプはインプットトランスとしてTLT-0615を使ってDC をカットしています。
ダイオードバイアスの回路は、自己バイアスの変形ですので簡単に試すことができたのですが、固定バイアスはインプットトランスの2次側の基準電圧がバイアス電圧となるためほぼ組み替えとなりました。
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ひとまず回路の確認ということで鰐口クリップをそこら中に使っての仮配線です。写真のように配線間の干渉や配線長の考慮もへったくれもない状況ですが、この状況でまともな音がしないものはこれ以上進む価値もありません。
そのためせっかく先日部屋の整理をしたのですが、またまたアンプの周辺がスラム化してしまいました。しかしながらこちらの方がすぐに手が出せるのでなんとなく落ち着きます。
今回の取り組みの中でC電源のGNDとインプットトランスのTLT-0615の一次側のGNDを接続しなければいけないことになかなか気づかず2時間ほど悩んでいました。出来てしまえば何てことはないのですが、悩んでいるときは余分なことを考えて試して壊してしまうこともしばしばありますので要注意です。
音質は予測通りでダイオードバイアスのような低域の緩みも微塵も感じられず、ユニットに全帯域音がまとわりつかなくなりました。それにともない再現される空間の範囲も拡大されました。いいことづくめの規定バイアスですが難点はアンプの規模がどうしても大きくなることでしょうか。バイアスですが-1.4Vで25mA 1.3Vで30mAとなります。
1W 程度のミニワッターですが拙宅の16畳程度の広さ環境ではオーケストラやパイプオルガンなどの音源も30Hzぐらいまでは解像度のとても高いハイスピードな音質でAFT model7を駆動できていると思います。SamizuAcousticsさんのために製作した8417シングルには到底及びませんが私にとって音楽を楽しむために AFTmodel7 を駆動するには十分な品質のアンプとなっています。