SamizuAcousticsさんのお客さんが使われているフルファインメットモノブロックの12E1PPの改造を依頼されました。このアンプですが、FM−120P-8KFMC-2430で構成された超ド級の構成です。
12E1という真空管の事は全く知らなかったのですが、MAXで300mAも流す事ができるお化けのような球でした。12AU7で増幅、ムラード型の反転回路して12E1を5結で駆動する回路でくまれていました。もともとNFBの回路があったようですが、回路は切断されていました。
12E1_4

一旦素の状態で聞いてみましたが、パワフル感はあるものの低域が遅れ遅れで空間も希薄でした。
12E1_3
使用されているコンデンサーは944U100uF,指月47uF,東一47uFがフィルムコンが電源関係には使われていました。また増幅段のカソードには自己バイアス用に電解コンデンサのPanasonicFC、バイアスの平滑化には日コン?220uFが使われていました。
12E1_cemi
大きな回路変更はまずは3結とすること。次にファインメットアンプとして適切な回路定数、部品とすることです。このアンプを私の好きにしていいといわれても正直申しましてどこまでやっていいのか判断に困りました。そこで、妙高オーディオの際にSamizuAcousticさんに一緒に宿泊された大先生に教えを乞いました。そこで殆ど全ての事を教えていただきました。
12E1_1
5結の状態ではSGが別電源で駆動されていましたので、プレート電圧とは関係なく設定できます。しかしながら3結となるとSGにほぼプレート電圧と同じ電圧がかかる事になるので12E1のSGの耐圧300Vがまず問題になります。ます。5結のプレート電圧はA40Vをチョークインプットでブリッジ整流して460Vがかかっていました。さすがにこの電圧をそのまま使う訳にはいきません。電源の出力をみるとコンデンサーインプット用の360Vの出力がありました。これをチョークインプットとすることで300V近辺となるのでこのタップを使う事にしました。
ここで簡単な計算を・・
12E1のプレート損失は35W。安全をみて85%で使うとして28W。3結で100mA流した場合30Wですのでまあいいとします。5結PP動作のときに55mA×2流れていたので、460V÷(55mAx2)x1.2=5k 現状は8kΩのトランスで受けています。これを3結300V 100mAx2とした場合、300V÷(100mAx2)*1.2=2kΩ。アウトプットトランスは8kΩ:16Ωの組み合わせがあるので、16ΩにAFTmodel7の8Ωを接続することで、見かけ上1次側を4kΩとできます。
電源電圧は360Vの端子をつかうことで、90mA程度流したときにプレート電圧が300Vとなりもくろみ通りとなりましたが。しかしながら時々真空管が暴走するのでバイアスを更に深くかけられるように電圧調整をしました。
出力関係はアウトプットトランス出力の16Ωがスピーカー端子に接続されてなかったので配線をひき直しました。
12E1 Speak
次にドライバー段の自己バイアスの電解コンデンサとバイアス平滑化の電解コンデンサを取り外しました。バイアス平滑化コンデンサを本来ならば944Uにするところですが筐体に収まらない事と、東一のコンデンサーを交換しない方針としましたので、少なくとも東一よりも特性のすぐれたVishay50uFのフィルムコンに交換しました。
12E1_Cemi2
また、段間を接続していたBlackMatter0.22uFが飽和気味でしたので、1uFに交換しました。
12E1 Couple2
ひとまず写真の用にバラックで組んで音質を確認してから筐体に組み込みました。
12E1 Couple
低域の遅れもなくなり音質もかなり安定して空間も再現できるようになってきましたので、しばらくこの状態で聞きながらあとは細かい位相や音質の調整を部品をつけたり外したり繰り返しました。
バイアスのためにカソードに1Ωがとりつけられているますので、バイアス調整はMAX 1V(プレート電圧290V) 100mA。SG耐圧のことを考慮すると最低で8V (プレート電圧315V 電流80mA)と言ったところだと思います。
12E1 BIas

最終的な回路図はこんな感じです。(部品は一部異なっています)
12E1 Draw
欲を言うのなら、電源のコンデンサを全て944Uに交換したり増量したいところですが、今回は筐体をそのままつかうということで、ここまでの調整としました。